空き家をリノベしたシェアハウスには、素敵な家族が住んでいる。


「おかえり!」 「おかえり♡」 「おかえりっ」 「お・か・え・り」 「おかえり〜」


玄関を入るといつでも暖かく迎えてくれる 「おかえり」の声。

ここ海古屋シェアハウスは、逗子駅と逗子海岸の中間にある空き家を改装した戸建てのおうち。
DIYで空き家を再生する秘密戦隊「空家レンジャー」が手がけた初プロジェクト作品だ。

逗子駅から海岸に向かって徒歩10分ほど、細い路地を曲がると一見何の変哲もない古い家。
そこから発するなにやら異様な空気感に誘われ、思わず門の中を覗いてみると、そこには超前衛的なアート作品があった。
作品タイトル「GYOMI」
どう見てもゴミ……、素敵なアート作品だ。
作者はTAICHI、そうあの空家レンジャー隊長ピンクレンジャーその人だ。


海古屋シェアハウスには、ピンク隊長はじめ5人のレンジャーが暮らしている。

グリーン、みかん、みどり、そしてインディアンイエロー。

色は割と平凡だが(そうでもないか)個性豊かな面々、いろんな意味で一流のクリエイターたちだ。

玄関で出迎えてくれる暖かな「おかえり」の声は、手作りの人感音声発生装置から発せられている。

難点は来た時だけでなく、帰る時にも「おかえり」と言われること、「はやくおかえりっ」って言われている気になってしまう……。


玄関を上がってまっすぐに進むと、またまたなにやら不思議なものを発見!
ちょうどダイニングとリビングの間のところに、落とし穴?のような床が四角く切り取られた箇所がある。
覗いてみると、中には水の張られた水槽のようなものが、いったいなに?

「あ〜、それ足湯」
「足湯⁉︎」
(確かに足湯に見えないことはないけど、てっきり簡易トイレかと……。)


リビングにはレトロなグッズがズラリと並ぶ。振り子時計、扇風機、タイプライター、ハカリ、etc. まるでゴミ……、いや骨董屋のようだ。


ここまででも普通の家に住んでいる人にとっては十分刺激的だが、それだけでは終わらないのが、このシェアハウス、さすが創造革命家のプロデュース作品だ。

リビングの窓から小さな庭を眺めると、そこにはまたまたまた不思議な世界が!!

これこそまさにゴミ捨て場……、いやいやパラダイスがそこに存在した。

木材の切れ端、素材もサイズもすべてバラバラ、古いものから新しいものまで、いわゆる”端材”という余りものが山積みになっている。

名付けて「端材カフェ」
といってもコーヒーが出てくるのでも、美味しいケーキが食べられるのでもなく「時間とアイデアがあれば素敵なものが作れます。しかもタダで!」

通常はゴミと認識される端材もここでは宝物、そんな素敵なカフェなのだ。


そんなゴミ……んんっ、シェアハウスに住んでいる住人たちは、まるで家族のように、というよりも家族以上に仲がいい。

まぁこの不思議な空間に同居しているのだから、そうでなければやっていけないだろう。

家族会議や家族旅行もあるらしい?

妻と二人暮らしで会話もほとんどない僕には、なんともうらやましい話である。

考えてみたら、これから人口が減り、高齢化が進み、少子化が進む。

家が余り、独居が増え、孤独死が心配される世の中で、ちょっと不思議だけど、これが新しい家族の形なのかもしれない。

それぞれが自由で、変に干渉し合わず、それでいて一緒に過ごす場と時間があって繋がっている。

無駄なものを買うことはなく、必要なものは共有するシェアリングエコノミー。


空き家を甦らせる「空家レンジャー」は、いま失いかけている正しい日本の家族のあり方をも甦らせるかもしれないのだ。


ぜひ一度、海古屋シェアハウスを訪ねてほしい。
みんなで暖かく「おかえり」と迎えてくれるはずだから。


(了)


空家レンジャー6月の活動予定

6/4(日)、17(土)、18(日) 葉山ファクトリー

6/24(土)、25(日) 海古屋シェアハウス


0コメント

  • 1000 / 1000

コーヒーのブログ、コーヒーといろんな活動

自分で焙煎するコーヒーは格別である! 空き家を救う!空家レンジャー 理想工場をつくる! などなど