家の中に「小屋」を造る!いったい何のために?「ここが日本のサグラダファミリア?」「そう! ずっと改装し続ける建造物」「そ、そうなんだ……」(確かにそこだけはサグラダファミリアだ、けど向こうは300年だよ)「で、何でこの家の中にわざわざ小屋を造るの?」「まあそれは、ガウディ級の人にしかわからないかな」「ふ〜ん、いずれここも世界遺産になるかもしれないね(汗)」「そうなるだろうね」「……」こちらホンモノ2017.06.25 08:45
空家レンジャー活動レポート「教え上手な大工さん」「ごようてい」天皇陛下が静養のために訪れる別荘がある町。葉山にはそのイメージが強烈にある。なぜかそこだけが時代に取り残されたような、明治天皇が休息されていたときのままのような、そんな空気が漂う葉山町。海があって、山があって、自然豊かで静かで、別荘がたくさんあって、クルーザーが一家に一台あって?、駅なんか要らなくて……。そんな格調高くセレブな町にはまったく似合わない? 突如現れた異色集団。その名は「空家レンジャー」空き家を救う集団は、現在総勢150名を超えてまだまだ増殖中である。空家レンジャーの使命は、空き家をDIYで蘇らせること。費用も最小限に抑え、廃材を有効利用する。ガラクタを宝物に変えてしまう、まさに秦基博の「ひまわりの約束」のように。(♪ガラクタだったはずの今日が、二人なら宝物になる……)6月17日(土)、18日(日)この週末のメイン作業は二階部分の床と壁。二階には六畳の個室が8室ありクリエイターたちが使うためのシェア工房になる予定だ。2017.06.20 03:00
見つけたよ!これからのものづくりに必要なもの。〜 MAKE NETWORK Party 2017夏 参加レポート 〜キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン「きりーつ、れいっ!」まるでドリフの学校コントのような微笑ましい雰囲気で、それは始まった。世田谷区池尻、ものづくりのイメージとはほど遠い住宅街にそれはあった。『MAKE NETWORK Party 2017夏』3年前に始まったこのイベント、今回で数えて11回目になる。「ものづくり」がスキな人たちが集まって交流する場。単純に言ってしまえば、そういうことだ。「ものづくり」このひらがなで表されるコトバには、不思議な意味が込められている。製造とか生産では言い表せない何か特殊なもの。このイベントには、どうやらその「ものづくり」がたくさん詰まっているらしい……。6月11日くもり空の日曜日午後、廃校を再利用した施設の大きな一室が、そのイベント会場だ。入り口で受け付けを済ませて中に入ると、もう既にイベントは始まっていた。このイベントは2部構成になっている。前半は展示会形式で、ものづくりに関わる人たちの作品発表と、自由な会話の場を提供している。オリジナル性豊かで手作り感満載の「ものづくり作品」が所狭しと並べられていて、なにやら縁日のような雰囲気である。気になった作品があったので遠目で遠慮がちに見ていると、どこからともなく忍びのように作者が現れた。「これなんですかぁ?」この一言で始まるものづくり交流。作品コンセプト、加工方法、素材、材料仕入れ、販売方法、広告宣伝、資金調達、ものづくり好き同士の会話は尽きることがない。一見ただのガラクタ(失礼しました)のように思えるものも、みんな真剣に作っているのだ。そして真剣だからこそ面白くて魅力がある。工作機器のデジタル化やパーソナル化は、産業に大きな革命をもたらせた。これまでは巨大な設備や専門の職人がいなければできなかったことが、デスクトップ上でできるようになった。そのためアイデアさえあれば、なんでもできるとよく言われる。たしかにアイデアを形にすることのハードルは、恐ろしいほど低くなっているのだろう。しかし……、ここにいる真剣な人たちは何かが違うように僕には見える。アイデアだけではない、何かを持っている気がするのだ……。そして後半、ここからがメインイベントである。もともと何かの教室であった場所で、学校の授業を模した形式なのだが、なぜか乾杯からスタートする。まぁ飲みながらの授業もたまにはいいもんだ。1時限目は、ものづくり支援サービスを提供しているパートナーズの「ものづくりトーク」デジタル化で誰でも出来ると言っても、実際にやるとなるとものづくりは結構大変だ。場所、材料、機器、工具、そして技術、仕入れ、販売などのノウハウ、欲しいもの、知りたいことは山のようにある。そんなお悩みを解決してくれるのが、パートナーズだ。ものづくりをする人たちにとっては、過払い金請求の新宿事務所のように、とても心強い存在である。MAKE NETWORKの目的であるつくる人とそれを支援する人のつながりを生み出す。2時限目は、ものづくりをする人クリエイターズの「ものづくりトーク」自分の作品をアピールする絶好のチャンスだ。作品のコンセプト、作ることになったきっかけ、作ってしまったがための苦労話などなど。自分の持っているものや想いを伝えることで、共感者を引き寄せるのだ。「共感」を軸にしたつながりは、利害によるつながりとは全く異なる何かを生み出す。これがものづくりにはとても大切であり、それを増やしていくのが、MAKE NETWORKの最大の目的である。気が付けば会場に来てからすでに5時間が経過していた。途中に提供された食事もいただき、だいぶ満腹の状態である。食事といえば、このイベントで出される食事は特筆ものだ。この手のイベントでよくあるケータリングサービスとは違い、すべて手作りなのだ。おそらく主催者が、食事もものづくりのひとつなんだと考えているのだろう。味にもボリュームにも大満足だ。そしていよいよ3時限目、毎回大人気で盛り上がる全員参加のアイデアソン。与えられたテーマに沿って、グループのメンバーの思いつきや妄想だけで、ものづくりのアイデアをまとめる、超ショートショートのハッカソンである。各グループに与えられた時間は10分だけ。時間内にみんなで出来るだけアイデアを出し、それをひとつにまとめ、A3用紙1枚に手書きプレゼン資料を作成する。悩んでいるヒマなどまったくない、まるで振り込めサギに引っかかったかのように、ついついやらされてしまうのだ。今回のテーマは「トランスフォームするもの」簡単に言うと、物体が変形してその用途が異なることに使えるもの(あまり簡単になってないか?)。普段はどこにでもあるものが、いざという時に突然形を変えて便利に使えるもの(少しわかりやすくなった)。ということは、同時に2つの用途を考えなければならないことになり、更にハードルは高い。発表されたアイデアはどれも個性的で、生活の便利さを追求したもの、日常の社会問題を解決するもの、単純にウケを狙ったもの、完成度の低さを小芝居で補うもの……。よくもこの短時間でここまで出来るものだと、改めて人間の能力の高さに感心させられた。発表する側は真剣そのもの?であるのだが、それを聴く側の姿勢がいい。なんとかコンテストなどとは違い、暖かく見守る親心のような心境になる。笑顔と笑い声に溢れ、惜しみない拍手が贈られる。そして交流会の最後を締めるのは、恒例の記念撮影である。参加者もスタッフもその顔は笑顔で満ち溢れていた。それは愛のある笑顔だった。「愛!」そうだ、この会場でずっと感じていた不思議な何か、それは「愛」だったんだ。ものづくりすることへの愛、ものづくりする人への愛、ものづくりする場所への愛。参加者も、出展者も、登壇者も、司会者も、受付や運営スタッフも、展示されている作品も、提供された食事も。すべてにアイデアだけではなく愛がトッピングされていたのだ。そう! これからのものづくりに必要なものは、愛デアだったのだ。生産性を追求してきたこれまでの製造業に変わって、これからのものづくりは、より高次元の人間性を追求する成熟したものになっていくだろう。そしてMAKE NETWORKは、未来の愛あるものづくりを牽引していく存在になるのではないだろうか?いや、もう既にそうなっているのかもしれない。愛デアがたくさん詰まった未来のものづくりのために……。(了)*** MAKE NETWORK Party 2017秋 9月3日(日)開催 *** 2017.06.13 23:30
空き家革命を志す空家レンジャーたち それは産業革命なのかもしれない。「好きな色は何色ですか?」「ブルー!」「あっ、それもういます……、原色系は難しいよ」「じゃマリッジブルー!」「ざんねん、それもいる〜!」「……」恒例の新メンバー加入の模様である。空き家をDIYで再生する秘密戦隊?空家レンジャーに参加するためには、自分の色を決めなければいけないという厳しいルールがある。そして隊の中ではすべての人がその色で呼ばれるため、嫌いな色や変な色を付けることに注意しなければならない。実際変な色を付けてしまい後悔しているメンバーも少なくない。空家レンジャー活動プロジェクトの第1弾「古民家を改造したシェアハウス"海古屋シェアハウス"」が、一通りの改装が終わり住人も満室となったいま、活動の中心はプロジェクト第2弾「巨大施設に創るシェア工房 "葉山ファクトリー"」に移ってきている。6月4日(日)晴天の下、ここ葉山ファクトリーに空家レンジャーたちが集結した。2017.06.05 08:25
空き家をリノベしたシェアハウスには、素敵な家族が住んでいる。「おかえり!」 「おかえり♡」 「おかえりっ」 「お・か・え・り」 「おかえり〜」玄関を入るといつでも暖かく迎えてくれる 「おかえり」の声。ここ海古屋シェアハウスは、逗子駅と逗子海岸の中間にある空き家を改装した戸建てのおうち。DIYで空き家を再生する秘密戦隊「空家レンジャー」が手がけた初プロジェクト作品だ。逗子駅から海岸に向かって徒歩10分ほど、細い路地を曲がると一見何の変哲もない古い家。そこから発するなにやら異様な空気感に誘われ、思わず門の中を覗いてみると、そこには超前衛的なアート作品があった。作品タイトル「GYOMI」どう見てもゴミ……、素敵なアート作品だ。作者はTAICHI、そうあの空家レンジャー隊長ピンクレンジャーその人だ。2017.05.24 22:00
自分たちの手でつくる「理想工場」は夢のものづくりを実現する新世代シェア工房だ。「理想とは?」人が心に描き求め続ける、それ以上望むところのない完全なもの。そうあってほしいと思う最高の状態《goo辞書より》"理想"それはお金では買えない価値のあるもの。お金で買えるのならマスターカード買えばすむ話だ……。「理想工場」を作るプロジェクト、それはある日突然立ち上がった。きっかけはフェイスブックのタイムラインにフィードされた、ひとつの投稿だった。だれか自分のものづくりの部室とか工場とかMYスペースほしい人いませんか?なななんと東京都内の山手線の新駅から徒歩圏内の超一等地の巨大空間!自分の工具とか作品も置きっぱにできて、不要になった材料とか工具も共有できて、必要に応じて使うスペースを拡大させることもできて、自分がいないときは作品のショールームにもなってるような朝でも夜中でも24時間出入りが自由で、毎日がものづくりのお祭りみたいな夢のメイカーファクトリー!?しかもめちゃ安ーくできそう~~~希望者が集まればスタートさしちゃいます\(^o^)/申しわけないが、なんともユルい呼びかけだ。こんなので人が反応するのだろうか……?と思いきや、この投稿へたくさんのいいね!やコメントが付いて、直後に立ち上げた現地内覧会イベントは、あっという間に参加者でいっぱいになった。やっぱり多いのだ。小さく作って大きく広げる「夢のものづくり」を目指す人、それに憧れる人たちが。4月21日と26日の2日間、現地内覧会に参加表明した人がのべ70名を超えた。「なにやらよくわからないが、とにかく面白そうだから行ってみよう」という軽めのノリの人から、「こういうのを探していたんだ!」という即入会希望の本気の人まで。そしてその日から「理想工場」を創るプロジェクトは本格的に始まった。2017.05.21 03:40
一国一城の主になれる「メイカーズBOX」試作1号念願のマイホームを購入したとき「一国一城の主になったな」という称賛の言葉を受けることがある。だけどそれは束の間のことで、主はいつしか隅に追いやられ、邪魔者扱いされてしまうことが日本の家庭のよくあるパターン。現実は厳しいのだ(涙)「メイカーズムーブメント」数年前に世界の製造業を震撼さた一冊の本「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる」クリスアンダーソン(箸)2017.05.08 03:37
リノベーションの始まり”解体”には、DIY上達の基礎的要素が詰まっている「リノベーション」という言葉を聞いて何を思い浮かべるだろう? 死にかけていた建物が生き返る(再生)、古いあり方を捨て新たな機能を創り出す(革新)、朽ちたものを取り除き新しい空気を入れる(刷新) 「リノベーション」にはその全てが含まれている。 単純に綺麗にするだけのリフォームとは違う。 だから「リノベーション」をやるのには”魂”が必要のだ。 なんて、カッコイイこと言ってみたものの、なんてたって楽しのが一番だ。 空き家をDIYで蘇らせるという、とんでもなく面白いことをやっている「空家レンジャー」の活動は、日々進化している。 多様なメンバーが参加し続けているため、可能性がどんどん広まっている。 それに伴いメンバーの意識も高まってきている。 ただ見よう見まねで作業をするのではなく、しっかりと建築の基礎知識を習得したうえで、安全かつ適切な作業を目指す方向に進みつつある。 そして今日は「葉山ファクトリー」の天井解体作業を行うにあたり、建築のプロでもあるメンバーのクリアさんを招いて、解体作業をするうえでの基礎知識を講義してもらった。 いまどきの家の壁面は木材ではなく、多くは石膏ボードが使われている。 そして日本のシェアの大半を占めるのが「吉野石膏のタイガーボード」らしい。 これは安くて耐火性が高いというメリットがある。 実際「葉山ファクトリー」の天井もタイガーボードが使われている。 そこでクリア先生のレッスンワン! 「タイガーボードを加工するときは、カッターだけを使います」 「えっ、石膏を!そんな紙を切るカッターで!」 「おもて面にカッターで切れ目を入れて、そして裏側から軽くヒザで蹴る。よいしょ!」 パキッ、簡単にしかもまっすぐに割れた……。 まるで、切れ目の入ったカレールーを割るかのように。 2017.04.23 02:28
空家レンジャー活動レポート 葉山ファクトリー解体ショー!【4月16日(日) 葉山ファクトリー】ようやく春の暖かさを感じられる季節になってきた。こんな休日には、仕事のことも家族のことも忘れ、空き家をDIYで再生する。そんなライフスタイルが今年のトレンドらしい?ということで、やってきました「葉山ファクトリー」。空家レンジャーが手がけている2件目のプロジェクトで、シェアカフェ&キッチンとものづくりシェア工房に生まれ変わる予定だ。僕が空家レンジャーに初めて参加したのは、1ヶ月前の3月12日。決められたルールの中で閉塞感を感じながら、いやな顔を表に出さず、仮面を被って生きていくことが賢いと言われるいまの日本社会。チャレンジすることより、失敗しないことの方が評価される。自分の住む家や、自分の働く場所や、自分の生き方や、自分の未来を、自分たちの手で作ることができる場所。空家レンジャー、僕の求めている場所がここにあるのではないか…...。そこまで深刻には考えていないけど、これで3回目の活動参加(サミットも入れると4回目)。1回目はウッドデッキ作り(ほぼ枕木運び)、2回目はウッドデッキ作り(ほぼ枕木運び)、そして3回目は天井解体。DIYという境界を超えた立派な肉体労働である。けど解体って、なんでこんなにワクワクするんだろう。1.物を壊すことでストレスが発散できる。2.普段見えない物の裏側を見ることができる。3.解体した中から何か予想もしないものが出てくるかもしれない。そんなこと考えていたら本当に出てきてしまった! 5ドル紙幣1枚(現在543円)。楽しそうだし実際楽しいのだが、この作業結構キツイ。体勢はツライし、粉塵は舞うし、スマホは落とすし……。「あっ! やっちゃった!」突然聞こえてきたピンク隊長の叫び声。壊す予定ではない壁をブチ破ってしまったのかと思ったら、ナント!壁と壁の隙間にスマホを落としたらしい。通話発信してみると、確かに壁の中でさみしげな音がしている。しかしその深さは2メートル以上あり、上から取るのは不可能だ。仕方なく壁を電動カッターでくり抜きなんとか救出。それにしても人手不足なときに、仕事を増やす立派な隊長である。2017.04.17 03:55
空き家再生に挑む勇者たちの大きな夢「秘密戦隊ゴレンジャー」 40年位前にテレビ放映されていた特撮実写ヒーローもの。当時小学生だった僕は毎週テレビにかじりついて見ていた番組のひとつだ。 もちろん翌日は、友だちとゴレンジャーごっこで大いに盛り上がることは言うまでもない。 ゴレンジャーは5人組のヒーローが、市民を脅やかす悪の組織と戦うという、チームヒーローものの先駆け的な番組だが、その5人が色で呼ばれているのが最大の特徴だ。赤、青、黄、桃、緑の5色、肥満児だった僕はいつも黄レンジャー役だったのはほろ苦い思い出だ。 そしていま、僕は再びレンジャーチームのメンバーとなった。色は「コーヒー」。 メンバーが100人を超えているため、クレヨンや色鉛筆では色が足りない。 いまでもメンバーが増え続けているので、自分の色を決めるのがメンバー入りするための最初の難関だ。 その日着ている服の色や、ちょっとした思いつきで決めてしまうと後悔することになる。 なぜなら、色は不思議な力を持っているからだ。 色は、その見たままの視覚的な特性だけではなく、心理的な印象や情景を表す言葉になる。 例えば「青」、青は爽やかな印象が強い一方で、冷たさを感じる色でもある。 集中力を高めるとか、食欲を減らすとかの心理的効果もあるらしい。 だからネガティブな印象が強い色を選んでしまうと「変えたい!」となってしまうのだ。 僕の色「コーヒー」は「茶色系」に属するが、「茶色系」は堅実とか安心感というイメージがある一方で、頑固とか地味というネガティブなイメージもある。自分にぴったりではないが悪くはない。 それで…… このレンジャーチームが救うのは、実は「空き家」なのだ。 近年というか、これからもず〜っと、益々増えていくであろう「空き家」。 地方だけの問題ではなく、東京や関東近県でも目立つようになってきている。 高齢化と少子化、雇用の都市部集中、アベノミクス効果が全くない経済不安定、郊外の大型商業施設利用の増加、将来を全く考えない利権のための建設、様々な原因が絡み合っている。 せっかく建てた建物が、古かったり不便だったりすることだけで、使われずに放置されたままになっている。 解体するにも、リノベーションするにも費用がかかり、それを回収するだけの見込みもないため、手つかずのまま扉がしまった状態になっている。将来開く見通しもないままに。 そんなとてつもなく大きな社会課題に、果敢に挑む勇気あるレンジャーチーム、その名も「空家レンジャー」 僕は最近その存在を知り、早速メンバーに加えてもらった。 そして「コーヒーレンジャー」になった。 メンバーのプロフィールは様々で、アーティストだったり、クリエイターだったり、エンジニアだったり、コンサルタントだったり、不動産業だったり、飲食業だったり、学生だったり。まるで中国の歴史小説水滸伝の「梁山泊」のような集まり、もしくはキン肉マンの「超人オリンピック」のようでもある。多くの人たちは建築専門ではない。 なぜならDIY(Do it Yourself !)で再生するというのが、空家レンジャーのコンセプトだからなのだ。 「空家レンジャー」の抱えているプロジェクトは現在2件。 1件は逗子「海古屋(うみこや)シェアハウス」こちらはすでに入居していて、住みながらDIYしている。 もう1件は「葉山ファクトリー」こちらは元建設会社の社員寮で広い敷地と巨大な建物がある。1階はシェアカフェ&キッチン、2階はものづくりシェア工房となる予定だ。 僕は「葉山ファクトリー」のDIYに二度参加した。 枕木でのウッドデッキ作り、シェアカフェ&キッチンの内装を行なっていて、ウッドデッキは一応完成! シェアカフェ&キッチンは着々とおしゃれなスペースに生まれ変わってきている。 2017.03.28 03:05
コーヒーに合う本、本に合うコーヒー 「コーヒーが冷めないうちに」「珈琲屋の人々」本を読むとコーヒーが飲みたくなる。 この条件反射的な衝動は、いったい何なのだろうか? うん? コーヒーを飲むと本を読みたくなる方かもしれない。 はて? どっちだろう? コーヒーのお供に本なのか? 本のお供にコーヒーなのか? まあ「どっちでもいい」といえば、どっちでもいいことかもしれない。 ただコーヒーに合う本というのは、どうもあるらしいことは、ググってみるとよくわかる。 タイトルに「コーヒー」がついている本、これだけでも結構ある。 文学・評論のジャンルだけでも350冊、全部読むのは困難だ。 最近だと、30万部超えのベストセラーになって、今も売れ続けている息の長い作品 「コーヒーが冷めないうちに」 ”4回泣ける”というキャッチコピーで売り出した泣ける本である。 が、読んだ人によって泣いた回数は異なるようだ。 僕は、3回泣いた。 ちょっとミステリアスな設定だが、人生の出会いと別れの悲喜こもごもが描かれた作品で、相手のことを想う優しさや切なさに、思わず涙してしまう。 著者の川口俊和氏は、劇団の脚本家・演出家で、もともと舞台で講演をしていた作品を小説化したとのことで、自身としては初小説だ。 アマゾンのレビューが見事に賛否両論に分かれている。これは売れる小説の特徴だ。 僕の率直な感想としては、小説としての価値を低いかもしれないが、その舞台設定の妙がとても面白く、純粋に読めば自然と泣ける仕掛けが入っているので、一読の価値は十分にある作品だと思う。 2017.02.19 07:35
たっぷりとコーヒー談義を楽しめる店「このコーヒーは、他で飲むコーヒーとは別の飲み物ですね」これ以上に嬉しい賞賛の言葉はない。昨日の昼に来店いただいた男性のお客様、見覚えがある。確か、昨年末の商店街イベントのときに映画上映に参加された方だ。これから池上本門寺で仏教についての勉強会があるらしい。その前に時間があったので、コーヒーを飲みに来てくれたそうだ。仕上げなければならない資料があったが、せっかく来ていただいたお客様を放っておくわけにもいかない。それがマージナル珈琲の原点だから。話を聞いていると、普段から時間調整のためにコーヒーを飲むことが多いらしい。新米大統領に似た名前のハンバーガーショップの話になり、「一時期ましになったと思ったのに、最近またひどくなったね。仕方ないから頼んでいるけど、ひと口くらいしか飲まずに捨ててしまうんだよ。あれは、何かコーヒーとは違うものが入っているんじゃないの?」「……」まあ、何か入っていることは無いとは思うのだけど、マージナル珈琲と違うと思われる点を簡単に解説した。「コーヒーの味を決めるのは、一番はやっぱり素材です。同じ生産国のコーヒー豆でも、生産者によって栽培方法や精製方法が異なりますから、丁寧な仕事をしたクオリティの高い(各国で品質ランクが定められている)豆の方が良いことは間違いないです。ちなみに僕が仕入れているのは最高ランクのものだけです」「へー、そうなんだね」「次に味に影響があるのは、焙煎してからどれくらい日数が経過した豆を使っているかです。コーヒー豆は焙煎した時から急激に酸化して、風味を損なっていきますから、焼いてから時間が経った豆を使うと、変な酸っぱさや雑味が出てしまうんです。ここでは焙煎後は密封して冷蔵庫で保存して、10日以上経過したものは使わないようにしています」「そういえば、このコーヒーは飲んだ後すっきりしているよね」「そうですね。その味を目指して作っています。ブラジル産とグアテマラ産のブレンドです」その後、コーヒー談義に花が咲き、気がついたら1時間近くが経過していた。僕も嫌いな方ではないので。途中で、「もう一杯ください」とのリクエストをいただき、「では、今度は別の豆を試してみてください」と、インドネシア産の限定豆「フローレス花花」を出したのだが、今度は生産国の話になり、「インドネシア以外はあまり知られてないですが、アジアの国々でも結構コーヒー豆が生産されているんです。例えばインド、タイ、ベトナム……、あと中国産のコーヒーもあるんですよ」「あっそうなの!」「日本では小笠原諸島と沖縄で栽培されているそうなんですが、僕は飲んだことないんですよね」「え〜日本でも作れるんだ。知らなかったなぁ」話は尽きない……。そろそろ池上本門寺に行く時間ということで、帰られたのだが、1時間半くらいコーヒーの話で盛り上がってしまった。コーヒー代600円也。考えてみたら、とても非効率な商売であるが、来ていただいたお客様に幸せな気分になってもらうのが、マージナル珈琲の目指すところだから、これでいいのだろう。あとで、ふと想ったのだが、あのオジさんは実はコーヒー店の評価をしている覆面審査員で、味や店の応対などを採点していったのではないか。知らないふりをして、僕がどれだけコーヒーのことをわかっているかを試していたのではないか。「まさか……」「そんなことは……」「ないか」「お時間あるときに、ぜひまた来てくださいね」(了)マージナル珈琲のネットショップ開設しました。2017.02.12 02:07